がんの延命率を向上させるポイント

いま私は大学病院で勤務していますが、「どういった治療を選択したらいいのか?」と迷って来られる患者さんが結構多いということに少々ビックリもしています。
もちろん免疫治療を希望して受診される患者さんもいますが、私は全ての がん 患者さんを対象に免疫治療を行っているわけではありません。

つまり、早期 がん の場合、手術で90%の治癒率が得られる患者さんに、手術しないで免疫治療だけで、手術より同等かあるいは高い治癒率が期待できるか?と言ったら、そんなことは絶対にありえないということです。

そういう場合は手術した方がいいです。そして先ずは90%の治癒率は確保してくださいと言っています。
もし希望されれば、その後で10%の再発・転移の危険性に対して免疫治療を考えましょうと説明しています。

ですから患者さんの状況に合わせ、決まりきった方法ではなく、あくまでも患者主体で考えていく必要があります。 私達医師は、それをお手伝いするのが役割であると思っています。

つまり、患者さんが治療法を選択するのに必要なあらゆる客観的な情報を提供することが我々の立場であって、自分の意見を押しつけるのが我々の仕事ではありません。

延命率向上のポイント

上記で述べたことを踏まえ、私が思う延命率を向上させるポイント。

  • 手術をすることにメリットがあると考えられる場合は手術を受ける。
  • 抗がん剤 の投与方法として副作用を減らす方法を取り入れる。
  • 体力や栄養を確保する。
  • 精神的に落ち込む必要もなく、希望を持つことも大事。
  • 免疫療法も選択肢の一つと考える。
  • 薬を過剰に飲み過ぎない。
  • 現在行っている治療の有効性を冷静に評価する。

このようなことがいえると思います。

「元近畿大学腫瘍免疫研究所 丸山医師」