白血病の抗がん剤の副作用とその対策
白血病は手術ができる胃癌や大腸癌のような固形の癌ではないのです。これは血液の癌であるため、はじめから癌細胞が全身に散らばっています。
そのため治療は抗がん剤を中心とした薬物療法やドナーからの骨髄移植になります。
この治療は全て抗がん剤が使用することから、白血病は副作用と深い関係ができます。
そこで白血病に対する抗がん剤治療でどのような副作用が発現し、その時の対策について解説をします。
白血病における抗がん剤治療でなぜ副作用が発現するのか
白血病には、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病の4つがあります。
この中で慢性リンパ性白血病以外は主に抗がん剤治療が実施されます。また白血病の治療では骨髄移植をすることもあり骨髄移植前の抗がん剤が使用されます。
これは抗がん剤で癌になった白血球を死滅させたり抑制させ、正常細胞まで攻撃をします。
そのため細胞分裂のサイクルが速い消化管粘膜、骨髄、毛根、皮膚などに副作用が発現します。また骨髄移植をする場合は抗がん剤が強力になるために副作用も強く発現します。
白血病における抗がん剤治療の副作用はどのようなものか
白血病への抗がん剤治療で多くの副作用が発現するのは、急性骨髄性白血病と急性リンパ性白血病への使用と骨髄移植の使用になります。
急性骨髄性白血病と急性リンパ性白血病は、寛解導入治療、地固め療法、強化療法の3つの治療期があります。この時の抗がん剤はシタラビン・イダルピシン・ダウノルピシン・メトトレキサートなどになります。
また骨髄移植は移植前治療として、抗がん剤、放射線、免疫抑制剤が使用されます。
白血病への抗がん剤治療による主な副作用
吐き気、嘔吐、悪心、発熱、胃腸の粘膜障害、口内炎、下痢、便秘、食欲不振、貧血、感染症、発疹、そう痒、倦怠感、呼吸困難、手足のしびれ、味覚障害、皮膚の乾燥、ウロコ状の皮膚、白血球減少、赤血球減少、血小板減少、肝機能障害、腎機能障害、心機能障害、膀胱炎など
白血病における抗がん剤の副作用対策
白血病への抗がん剤治療は多くの副作用が発現させます。この時、白血球は免疫の働きをしていることから副作用の対策の中心に感染症予防を入れましょう。
吐き気と嘔吐
抗がん剤が嘔吐神経などを刺激するために吐き気が発生します医師に相談し制吐剤を処方して貰いましょう。対策として抗がん剤投与日は食事を少なくするまたは食べないようにします。また吐き気があるときはゆっくり時間をかけて少量ずつ食べるようにしましょう。
食事はお粥やうどんなどの消化のよい食べ物にすること、揚げ物・煮物・煮魚・焼き魚・乳製品などは避けることで吐き気の予防になります。また食事は感染症予防のために生の食材は避けましょう。
脱毛
抗がん剤が毛髪の細胞を攻撃するために髪の毛・眉毛・まつげなどが抜けます。
対策としてカツラやナイトキャップを準備して精神的ショックを和らげましょう。また髪の毛や頭皮に負担を掛けないように、刺激の少ないシャンプーやリンス、ヘヤブラシを使いましょう。頭皮を傷つけることは感染症の原因になります。
口内炎や喉のヒリヒリ
抗がん剤治療による口腔粘膜への攻撃によって口内炎が発生します。
対策として口の中をうがい薬や生理食塩水で常に清潔を保ってください。感染症の予防になります。
下痢
抗がん剤治療による腸管粘膜の攻撃や腸の神経を刺激することで下痢が発生します。
対策として水分を補給することと消化の良いものを食べるようにしましょう。またバナナや果物ジュースでカリウムを補給しましょう。脂質分の多い食べ物、乳製品、香辛料の強い食べ物、炭酸水は避ける方が良いです。また下痢をした後は肛門付近を洗い流してください。
便秘
抗がん剤が自律神経に影響をしたりまた吐き気止めの副作用により便秘が発生します。
対策として水分補給と繊維を食べること、マッサージなどで腸の運動を刺激するなどになります。排便時に切れ痔にならないように注意をしましょう。
感染症
抗がん剤による骨髄細胞への攻撃により白血球が減少します。そのため細菌やウイルスによる感染症が発生し易くなります。感染すると発熱します。この時は医師に相談しましょう。
対策としては食後や外出の後に手洗いやうがいをすること、人混みの中へ行くことはなるべく避けること、外出するときはマスクすることなどで細菌やウイルスに感染しないようにします。また毎日入浴やシャワーをすること、トイレ後に陰部を洗うことも感染症予防になります。
貧血
抗がん剤による骨髄細胞への攻撃により赤血球が減少します。そのため貧血が発生します。
対策としてゆっくり動作をすることで息切れや動悸をさせないようにしましょう。
出血
抗がん剤による骨髄細胞への攻撃により血小板が減少します。そのため出血し易くなります。対策として転倒や外傷、打撲などをしないように注意して動きましょう。外傷は感染症の原因になるため、注意が必要です。
しびれ
抗がん剤の作用により神経障害されしびれが発現すると言われています。対策として手足の感覚が鈍るため、入浴時に手足を温めることやマッサージをすることで血行をよくしましょう。
倦怠感
抗がん剤治療の回数が増えることによって疲れや体が重いなどの症状が蓄積されます。対策としては安静にしていることになります。
白血病への抗がん剤治療は治療期により組み合わせが変わります。それでも副作用は発現します。その時の対策で大切なことは免疫力が低下しているので感染症予防をしましょう。