がん治療の病院選びについて思うこと
がんと診断された時には、通常良い病院、良い先生に診てもらいたい、手術してもらいたいと思うのが普通ですし、私どもも良い先生を紹介してくれませんか?とよく言われます。
しかしそれはとても難しいことです。
どの先生が良い、どの病院がよいとそれを言うのは、ある意味業界ではタブーなところもあります。またそういう先生や病院があっても医師の紹介状がないとまずは入れないケースがほとんどです。
大学病院や、大きな病院がいいのか?
これもそうだとはいえないのが現状です。
大学病院は病気を研究し、新しい治療法を研究し、若手医師を教育する機関でもあります。
そのため、個人的には自分の考えに合う、先生に当たるのはある意味、運次第といえると思います。
しかし、自分の病気を医師に丸投げしていますと、ある意味リスクが伴います。
医師も非常にたくさんの患者さんを診ていますので、患者各人に良い医療を提供するように心がけても、自分の心力、気力、体力に限界があるからです。
医師も神様ではありません。我々と同じ人間で、当然間違いもあるし、判断ミスもある、血が通い、心を持った人間です。また、それを支える看護師さんも同様です。
そのために、間違いや判断ミスに自分がならないようにするために、自分の病気や治療法、投与される薬、現在の状況、今後に起こりうる危険性、回復するため の手法、自分の選ぶ漢方やサプリメントその他の方法などについてしっかり情報を持って理解しておくことが、一番大事じゃないでしょうか?
そのことがわかれば、病院を選択する場合には大差はないと思います。
病院選びには、正解はありません。運の要素が強いと思います。
ただ、自分の病気は自分で治す。医師はその手伝いである。ということを理解することが、本当の自分のための真の治療になると思います。
その上で上手に付き合っていくこと。
これが一番難しくて、一番しなくてはいけないことです。
薬剤師 中尾のりよし