抗がん剤治療で白血球が減少する?
抗がん剤治療をすると副作用として白血球が減少し感染症が発症します。これは抗がん剤と白血球減少が深く関係しているからになります。
そこで白血球の働き、抗がん剤投与後いつから白血球が減少するか、またその時の対処方法について解説します。
白血球の働きとは
白血球は血液を構成する成分の1つであります。その働きは体の外から侵入してくる細菌やウイルスを攻撃して体を守ることであります。その主役になるのが白血球の50〜70%を占める好中球になります。その他にも寄生虫を攻撃する好酸球などがあります。
抗がん剤と白血球数の関係
白血球数の正常値は約4,000〜10,000/㎣、そのうち好中球数は2000〜7,000/㎣になります。抗がん剤は白血球を作る骨髄細胞に作用します。それによって白血球が作られる数が減少するのです。
その結果、抗がん剤の影響で白血球数が2,000㎣以下、好中球数が1,000㎣以下になります。このときに感染症にならないように注意が必要になります。それから白血球数が1,000㎣以下・好中球数500㎣以下になったときは要注意となり感染症が重症化することがあり入院などになります。
白血球の寿命は
白血球は好中球・好酸球・好塩基球などの種類にわかれます。これらの寿命は7〜10日と言われています。常にこれらの白血球は骨髄で作られています。
なぜ抗がん剤治療をすると白血球が減少するのか
抗がん剤は人の細胞に似ている癌細胞を攻撃し死滅または成長を抑制します。そのため抗がん剤は癌細胞といっしょに正常細胞まで攻撃します。
これが血液を作り出す骨髄に作用するため、白血球が作られなくなり減少をするのです。
このことから体を外敵から守る免疫力が低下し感染症に罹りやすくなります。
白血球が減少した時の症状
抗がん剤投与をはじめると7〜14日で白血球は減少します。これは白血球の寿命と白血球の作られる速度に関係しています。そして白血球が減少すると次のような感染症の症状が現れます。
発熱、悪寒、震え、頭痛、関節痛、発赤、水疱、鼻水、口や喉や肛門の腫れと痛み、咳、痰、息苦しい、歯周病、腹痛、下痢、吐き気、尿のにごり・増加、排尿痛、残尿感、唇や皮膚の痛みなどになります。
白血球が減少した時の対応方法
抗がん剤による白血球減少が起きた時は感染症に罹らないための対策が大切になります。
外出の頻度を減らすという事も1つの対策ではありますが、外出を一切無くすという事は生活をおくるなかでは中々難しいものです。
それよりも、下記の対策を習慣として取り組む事が大切です。
・外出後、排便後、食後、掃除にあとに手洗いを手指洗浄剤ですること
・外出後と食事の前後にうがい薬や生理食塩水を使ってうがいをすること
・歯磨きをして口の中を清潔にすること
・抗がん剤治療前に歯科で虫歯などの治療をしておくこと
・毎日、入浴やシャワーをして清潔な衣類の着替えること
・食事は加熱処理をされたものを摂りましょう
・外出時はマスクをすること
・外出するときは人が多い時間帯を避けること
・毎日体温を測ること
・医師の指示に従うこと
抗がん剤による白血球減少と漢方
抗がん剤は骨髄細胞・免疫細胞へダメージを与えます。
それにより体の抵抗力を失います。
この時、免疫力を高めるための生命エネルギーと栄養素も落ちているため、漢方薬を活用することで、体の栄養状態の維持につながる事があります。
抗がん剤による体のダメージは感染症などの一刻を争う生命エネルギーの低下に繋がります。少しでも早い対策が大切になります。