抗がん剤治療で副作用が現れるのはいつ頃か?副作用の時期について
抗がん剤治療は全身をターゲットにした治療になるために副作用と深い関係になります。それは抗がん剤投与日から抗がん剤治療後まで副作用が関わってきます。そこで抗がん剤による副作用の発現時期とその時に発現する副作用について解説をします。
抗がん剤の作用と正常細胞の関係
抗がん剤が効果を発揮する癌細胞は正常細胞にある遺伝子が変異してできた細胞と言われています。この癌細胞は無秩序に増え続けるのです。これによって癌細胞は臓器を浸潤し転移をしていきます。それとは別に臓器から発生しない血液の癌もあります。
これらは正常細胞が一定のサイクルで分裂し新旧を繰り返すことと違うのです。しかし癌は正常細胞からできることになります。そのため抗がん剤は癌細胞だけでなく正常細胞まで効果を発揮することになるのです。
抗がん剤治療における副作用の発症時期
癌細胞に作用をする抗がん剤の副作用は投与中から始まり投与後ある程度の期間にわかれて発現してきます。それには個人差や抗がん剤の種類などにより違いが出てきます。
また抗がん剤は正常細胞の分裂が速いところから発現してきます。それは血液細胞・消化管の粘膜細胞・毛根の細胞・皮膚の細胞・爪の細胞などであります。
そして抗がん剤は投与中からアナフィラキシーショツクなどの副作用が発現することもあるのです。しかしこれは他の薬剤でも発現する副作用になります。
抗がん剤投与開始24時間以内
抗がん剤の副作用は投与開始から始まります。それはアレルギー反応(過敏症)・急性の吐き気と嘔吐・血圧低下・発熱・悪寒・発疹・蕁麻疹・呼吸困難・不整脈・頻脈・血管痛・胸痛・腹痛などになります。まれに早期に発現するアレルギー反応で全身の臓器に重症を引き起こし急激な血圧低下をともなうアナフィラキシーショツクがあります。これは生死にかかわる副作用になります。
抗がん剤投与後2〜7日目
抗がん剤投与後翌日〜7日目までに発現する副作用は、遅延性の吐き気と嘔吐・食欲不振・全身倦怠感(だるさ)・下痢・便秘などになります。
この頃からの下痢は抗がん剤による腸管粘膜の細胞への作用が原因になります。
抗がん剤投与後7〜14日目
抗がん剤投与後7〜14日目に発現する副作用は、口内炎・下痢・食欲不振・胃もたれ・白血球減少・血小板減少・貧血・肝機能障害・腎機能障害・心機能障害などになります。
この期間から始まる副作用は抗がん剤が攻撃した正常細胞から発現してきます。それは口内炎・下痢・白血球と好中球の減少・血小板減少などになります。
抗がん剤投与後14〜28日
抗がん剤投与後14〜28日目に発現する副作用は、脱毛・皮膚の角質やしみ・手足のしびれ・痛み・麻痺・耳鳴り・貧血・膀胱炎などになります。
この中で末梢神経障害で発現する手足の痺れ・痛み・麻痺などは回復に数ヶ月から1年以上かかると言われています。
抗がん剤の副作用発症時期と漢方
抗がん剤の副作用は投与後に段々と増えていきます。これは生命エネルギーや栄養状態の低下と考え、漢方を処方して頂くことが抗がん剤からの全身へのダメージを和らげたり栄養改善をしたりすることから回復が早くなる場合があります。
抗がん剤による全身へのダメージはその効果が発現するに従い生命エネルギーの低下で衰弱していきます。これには早い段階での対処が大事になります。