胃がんの抗癌剤治療の副作用
胃がんの治療において、抗がん剤がメインとなる場合は手術が出来ないケースになります。
がん細胞が複数の器官に転移して手術では取り除けないケースや、手術した後にがんが再発してしまったケースのときです。また放射線治療と組み合わせて、抗がん剤を使用することもあります。
手術ができないため抗がん剤を中心に治療していくことになりますが、抗がん剤だけで胃がんを完全に根絶することは難しいのが現状です。
現在、さまざまな抗がん剤が開発されていますが、胃がんに関しては「根治」というより「延命」と「生活の質(QOL)の向上」を中心とした治療になっています。
胃がんの抗癌剤と副作用
胃がんの治療に使用される抗癌剤はTS−1カプセル(テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム(ティーエスワン)、トラスツズマブ(ハーセプチン)などです。
これらを症状に合わせて、他の抗癌剤と併用することで治療効果を挙げます。
胃がんの抗癌剤と副作用
TS−1カプセル(テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム(ティーエスワン)は、3種類の薬を合わせた抗がん剤で、胃がん以外にも広く使用されている薬です。
嘔吐・下痢などの症状が緩和されていますが、免疫力低下の原因となる骨髄抑制、吐き気、嘔吐、手足の発疹、皮膚の色素沈着などの副作用が現れます。ごく少数に重篤な症状である、播種性血管内凝固症候群(はしゅせいけっかんないぎょうこしょうこうぐん)、狭心症(きょうしんしょう)などの症状が起こります。
トラスツズマブ(ハーセプチン)は様々な抗癌剤の中でも、正常な細胞へのダメージが少ないといわれています。ですがそれも個人差があります。
副作用は悪寒、発熱、倦怠感、嘔吐などです。また心不全・狭心症などを患っている、もしくは経験があると重篤な心障害が起こることがあります。過去の病歴に左右して副作用が出ます。
副作用の少ない抗癌剤の開発も進められていますが、体の負担が少ない抗癌剤と謳われていても、体の負担は避けられません。そのため抗癌剤を使用する体力も必要になってきます。
抗癌剤の副作用緩和と術後ケアとしての漢方
治療中はストレス下に置かれます。胃などの消化器官はストレスの影響を受けやすい場所でもあります。抗癌剤や治療の副作用もありますが、精神的負担による食欲不振、吐き気、消化不良といった症状も十分考えられます。
そうした心身のケアの一環として、漢方を用いることは有用でしょう。
また術後や、もとの生活に戻る際に心身にはストレスがかかりますから。治療前後のフォロー役として漢方が注目されています。
漢方は体全体を通して、健康回復を目指す医療です。ですから漢方を取り入れることで、免疫力の向上、精神安定が期待できる場合もあります。その結果、食欲の回復、快便といった体の機能の向上し、「生活の質(QOL)の向上」が期待できます。
また身体の状態が落ち着くことで、精神的に安定し「延命」の助けとなることも出来ます。