抗がん剤の副作用で抜けた髪の毛は生えてくる?脱毛対策
抗がん剤治療の副作用として脱毛はよく知られています。これは抗がん剤の作用が毛髪に悪影響していることが原因です。
したがって抗がん剤の副作用と脱毛は深い関係にあるのです。そこで実際に抗がん剤治療が終了した時に毛髪は戻るのか、また脱毛した時の対策はどのようにすれば良いのか解説します。
なぜ抗がん剤治療で脱毛が発現するのか
抗がん剤の副作用である脱毛は全身で発生します。現在、抗がん剤による脱毛の詳しい原因は明らかになっていません。しかし抗がん剤が毛母細胞に何かの要因で作用し抑制していることは分かっています。
これは毛髪が成長することが出来なくなり古い毛髪が抜けた後に毛が生えなくなることです。これが抗がん剤の副作用である脱毛になります。
脱毛は抗がん剤治療開始から2〜3週間ほどで発現します。それから1〜2週間後にはかなりの量が抜けます。
脱毛の副作用が起こる抗がん剤
脱毛の副作用が発現されやすい抗がん剤は植物アルカロイド系と抗がん性抗生物質系が多いと言われています。
アドリアマイシン、エトポシド、ファルモルビシン、イホォスファミド、サイクロホスファマイド、ビンクリチン、ブレオマイシン、メトトレキサート、ビンデジン、シスプラチン、パクリタキセルなど
毛髪が脱けて生えてくるサイクルとは
人によって副作用の度合いは違いますが、抗がん剤により脱毛が起こる場合があります。
この脱毛は毛周期にそって毛が抜けていきますが、毛周期には、成長期、退行期、休止期があります。
毛髪はこの順番で代謝を繰り返しています。
この周期における毛髪の割合は、成長期85〜90%、退行期1%、休止期10〜15%になります。
これが抗がん剤によって毛母細胞が抑制され一時的に休止し、成長期、休止期の順に毛が抜けていきます。
抗がん剤治療後に髪の毛は生えてくるのか?
抗がん剤による脱毛の原因は不明でありますが、毛母細胞が一時的に休止していることが分かっています。
つまり抗がん剤治療が終了すると毛母細胞が再活動を始め、1〜2ヶ月掛けて徐々に毛髪が生えてきます。
最終的に抗がん剤使用前までに戻るのが3〜6ヶ月後になります。したがって抗がん剤で脱毛をしても髪の毛は再び生えて来るのです。
抗がん剤による脱毛対策
抗がん剤による脱毛はさけることのできない副作用です。しかし抗がん剤治療後に再び髪の毛は生えてきます。
それを問題なく戻すには抗がん剤使用時のケアが大切になります。
抗がん剤治療前の準備
抗がん剤使用後に毛髪が抜けることは予想ができます。この時、あらかじめ短髪にしておくと大量に抜けた毛髪を目の前にすることがなくなり、ショックが軽減になります。
またウィッグ(かつら)を準備することも脱毛対策になります。これは女性の場合、ウィッグ(かつら)を治療前の状態に近いものを準備することで精神的のショックが少なくなります。
またナイトキャップも準備しましょう。これは枕やシーツに付く髪の毛を防止することができます。
洗髪時の対策
脱毛が始まると頭皮が露出されるため、シャンプーやリンスは頭皮へ刺激の少ないものにしましょう。また頭皮を傷つけないように爪は短くしましょう。頭皮を傷つけることが毛嚢炎の原因になります。
整髪時の対策
脱毛時に頭皮を傷つけないためにブラシは柔らかいものにしましょう。またドライヤーは低温にしましょう。
脱毛時の禁止事項
脱毛時のショックは精神的にイライラしますが、無理に髪の毛は抜かないようにしましょう。毛母細胞を大切なものです。
抗がん剤による脱毛は治療後に再び生えてきます。そのためにも抗がん剤治療の脱毛ケアは大切になります。