直腸がんの抗がん剤の副作用

直腸がんはリンパ節転移や他臓器転移があるため、どうしても転移が疑われた場合は抗がん剤を使用することになります。

このことは抗がん剤治療で発現する副作用と深く関係することになります。そこで直腸がんの抗がん剤治療における副作用について解説します。

直腸がんへの抗がん剤治療でなぜ副作用が出るのでしょうか

直腸がんは大腸がんの1つであります。

現在、直腸がんによる死亡数はがん全体の中で男性が8位、女性が9位と上位に入っています。

これは直腸がんに自覚症状がなく便潜血や下血で発見されるケースが多いからです。つまり直腸がんが発見された時には、すでにリンパ節や肝臓・肺に転移している可能性が高いことになります。

このような進行がんになると全身に散ったがん細胞を死滅する目的で抗がん剤治療が実施されます。この時、抗がん剤はがん細胞への攻撃だけでなく正常細胞への遺伝子攻撃もするため、さまざま副作用が発現することになるのです。

直腸がんにおける抗がん剤治療の副作用

直腸がんへの抗がん剤治療は今までの治療経験から効果の高い組み合わせができています。

主な組み合わせが、FOLFOX、FOLFIFI、XELOX2などになります。この抗がん剤の組み合わせにより余命半年が2年近くまで伸びようにたり、分子標的薬を加えることで余命半年が3年ぐらいまで伸びたりするようになったのです。

しかしこのように抗がん剤の効果が高いことは副作用も多く発現することに繋がります。

 

直腸がんへのFOLFOX治療による副作用

FOLFOX治療に使用される抗がん剤はフルオロウラシルとオキサリフラチンの2剤、またフルオロウラシルの効果を高めるレポホリナートを含めた計3剤になります。

この抗がん剤にはそれぞれ特徴的な副作用が発現します。

フルオロウラシルは吐き気や下痢、オキサリフラチンは末梢神経障害(手足のしびれ)やアレルギーなどの副作用がでると言われています。

FOLFOX治療の主な副作用

アレルギー、下痢、吐き気、嘔吐、食欲不振、感染症、出血しやすい、口内炎、手指や足趾の痺れ、不快感、痛み、皮膚の色素沈着、貧血、白血球減少、血小板減少、赤血球減少、肝機能障害など

 

直腸がんへのFOLFIFI治療による副作用

FOLFIFI治療は使用される抗がん剤はフルオロウラシルとイリノテカンの2剤、またフルオロウラシルの効果を高めるレポホリナートを含めた計3剤になります。

この抗がん剤にはそれぞれ特徴的な副作用が発現します。フルオロウラシルは吐き気や下痢、イリノテカンは、下痢、悪心、嘔吐などの副作用がでると言われています。

FOLFIFI治療の主な副作用

アレルギー、下痢、吐き気、嘔吐、食欲不振、感染症、出血、手指や足趾の痺れ、不快感、痛み、脱毛、皮膚の色素沈着、貧血、白血球減少、血小板減少、赤血球減少、肝機能障害

 

直腸がんへのCapeOX(XELOX)治療による副作用

CapeOX(XELOX)治療は使用される抗がん剤はオキサリフラチンとカベシタビンの2剤、ここに分子標的薬のベハシズマブを含めた計3剤になります。

この抗がん剤と分子標的薬にはそれぞれ特徴的な副作用が発現します。

オキサリフラチンは末梢神経障害(手足の痺れ・不快感・痛み)、カベシタビンは手足症候群、ベハシタビンは高血圧・出血・血栓塞栓症の副作用が発現すると言われています。

CapeOX(XELOX)治療の主な副作用

アレルギー、下痢、吐き気、嘔吐、食欲不振、感染症、出血、手指や足趾の痺れ、不快感、痛み、感覚異常、喉が締め付けられる感覚、足裏と手のひらのチクチクとヒリヒリ、皮膚の色素沈着、口内炎、涙流、貧血、白血球減少、血小板減少、赤血球減少、肝機能障害

直腸がんの抗がん剤治療は組み合わせによりそれぞれの副作用の特性が現れます。